2016年(平28)3月7日 平成28年度福岡市予算議会
補足質疑応答全文(福岡市議会議員 栃木義博)

 

クルーズ産業振興の基盤、体制など環境整備について

 
〈栃木〉
 クルーズ船による訪日観光客の増加数はうなぎ登りで2016年の政府統計によると、2014年に41.6万人だったものが、翌年の2015年には111.6万人と、2.7倍増の勢いです。そのうち博多港寄港により上陸した外国人は21.1万人から57.4万人へ2.7倍に跳ね上がりました。本市に上陸した外国人では中国人が極端に多く、その傾向は毎年増加し続けています。商業施設での「爆買い」はいまや日常の風景になりつつあります。「爆買い」がいつまで続くのかという話題はよく耳にするところですが、人口13.7億人そのうち資産1千万元(1.7億円)以上の富裕層が、104万人(2014年時点、2010年比で倍増)を超える中国国民のほか、後を追うインドネシアなどアジア諸国民の消費動向や生活スタイルの変化には目が離せません。そういう意味においても、本市経済の今後を考えるうえでアジアを中心にしたクルーズ産業は注視しなければならない政策課題であると思われます。

 
問〈栃木〉
 そこで、クルーズ船の博多港寄港の実績ならびに昨今の世界とアジアの経済動向を踏まえて、今年以降の見込みについてお聞きしたい。

 
回答〈港湾局〉
・平成26年115回,平成27年259回,平成28年約400回
・各船社ともアジアを有望な市場とみており,新造船を投入する船社や新規参入する船社があり,平成29年についても,平成28年と同程度の寄港を見込んでいる。

 
問〈栃木〉
 あわせてクルーズ船の寄港地選定の条件と本市選定の客観的な要因を伺いたい。

 
回答〈港湾局〉
・クルーズ船を受け入れることが可能な岸壁を有していることや,地理的に4~5泊のショートクルーズに適していることなどが条件となる。
・福岡市は,それらに加えて,ショッピングなども含めた魅力ある都市観光ができることから、寄港地として選ばれていると考えている。

 
問〈栃木〉
 また寄港実績をあげた本市取り組みのポイントは何か教えていただきたい。

 
回答〈港湾局〉
・寄港地として選ばれているポイントとしましては,クルーズ船社などへの寄港地としての魅力についてPR活動を行ってきたことに加え,クルーズセンターの設置や多言語での観光案内の取り組み,あわせて国への働きかけを行い,入国手続きの簡素化をはじめとしたCIQ体制の充実化を図っていただいてきたことなど,ソフト・ハード面でのクルーズ船受入に関する取り組みなどの効果であると考えております。

 
問〈栃木〉
 つぎに少し視野を広げると、クルーズ観光、同産業のアジア太平洋地域の動向と見通しを聞かせていただきたい。

 
回答〈経済観光文化局〉
・クルーズ船社などで構成されるアジアクルーズ協会がまとめた2014(平成26)年のアジアクルーズ産業白書によると,
2012(平成24)年130万人だったアジアのクルーズ人口は,中国を中心に2020(平成32)年には380万人になると予測されている。

 
問〈栃木〉
 そもそもクルーズ産業とはどのような産業なのか、どのように定義するのか。クルーズ産業の頂点から裾野に至る体系をお尋ねする。

 
回答〈経済観光文化局〉
・クルーズ産業の明確な定義はないが,クルーズ船社国際協会(CLIA)が発行した「クルーズ産業がアメリカ経済に与えた影響2014(仮訳)」の中で,クルーズ船社の経済活動の直接効果が及ぶ産業として,製造業,卸売業,交通機関,情報サービス,金融・保険・不動産・リース業,公共サービスなどが挙げられている。
・クルーズ船は動くホテルと形容されることもあり、船内では飲食、宿泊、ショッピング、美容、エンターテインメントなど多くの3次産業が関わっている。
・また,寄港地においては、運送事業者や飲食店、商業・観光施設などが関わっている。

 
問〈栃木〉
 地元経済への波及を考えるとクルーズ産業の経済効果を見極めることは誰しもが関心のあるところ。クルーズ観光客の一人当たりの平均消費額と本市における同様の消費額をお聞きしたい。

 
回答〈経済観光文化局〉
・クルーズ船による中国人観光客
約107,000円(平成27年福岡市調査)
・福岡県内への外国人観光客
日帰り 約16,000円(平成25年福岡県調査)
宿泊 約84,000円(同上)

 
問〈栃木〉
 また、クルーズ観光客の一人当たりの平均消費額の他都市との比較を伺いたい。

 
回答〈経済観光文化局〉
・神戸港  38,000円 (平成24年8月調査)
・細島港  23,000円 (平成27年8月調査)
・油津港  12,000円 (平成27年8月調査)
・那覇港 138,000円 (平成27年8月調査)
 ※横浜港,長崎港,鹿児島港は未調査

 
問〈栃木〉
 クルーズ船の博多港寄港については、外国のとりわけ中国主要港発着のインバウンドと言われる運航形態だが、これによると地元経済への波及効果に限りがあると言われている。したがって、本市は博多港のクルーズ船拠点化、アウトバウンドに力を入れたいとしているが、博多港を拠点にするクルーズ船の発着回数、乗客数ならびに内訳などアウトバウンド事情をお尋ねする。

 
回答〈港湾局〉
・博多港を拠点とする発着クルーズについては,平成27年は,邦船を中心に17回,約2万人となっており,平成28年については,邦船に加え外国船についても10回以上行う予定であり,大きく増加する見込み。

 
問〈栃木〉
 また博多港の拠点港化、アウトバウンドの条件を本市はどのように認識しているのかお聞きしたい。

 
回答〈経済観光文化局〉
・拠点港となるためには,専用岸壁の整備など受入環境とあわせて,一定規模の背後圏と良好な交通アクセスなどの条件を備えている必要があると認識しているが,福岡市は,国内外との航空路線も多いうえ,空港や中心駅から,港までの交通の便が良いことから,国内外からの集客も期待でき,フライ&クルーズ、レール&クルーズに十分に適した条件を備えていると考えている。

 
問〈栃木〉
 このところの中国のみならず世界規模での株価低迷、円高傾向など不安定な金融指標が見られるが、経済変動に大きく左右されずに自律的で持続可能なクルーズ産業振興を図るための国ならびに自治体の課題は何かお伺いします。

 
回答〈経済観光文化局〉
・現在,中心となっている中国発着のクルーズ船の寄港に加えて,ラグジュアリークラスのクルーズや博多港発着クルーズなど,多様なクルーズ船の誘致を進めることや,ソフト・ハード両面でのクルーズ船の受け入れに関する取り組みを継続し,寄港地としての魅力を高めていくことが課題であると考えている。

 
問〈栃木〉
 クルーズ観光による社会経済に対する波及効果の大きさはわかりましたが、産業都市でない本市が取り組むに相応しい産業分野のひとつであり、持続可能な産業として、クルーズ観光を着実に育てていくことが必要であろうと思います。そこで港湾のハード・ソフトの既存ストックの改良や有効活用など、クルーズ船誘致の受け入れ環境の整備について現状と課題をお聞きしたい。

 
回答〈港湾局〉
・本市の港でのクルーズ船受け入れ環境の整備につきましては,平成27年にクルーズセンター及び交通広場を整備したところであり,クルーズ客の利便性・快適性の面は向上している。
・課題としては,岸壁延長の不足から,中央ふ頭に係留できないアジア最大のクルーズ船クァンタム・オブ・ザ・シーズ寄港時や2隻同時に寄港する場合,本来は物流岸壁である箱崎ふ頭を一定の制約の下利用しているところであるが,物流への支障も生じており,また,専用の入国手続き施設がなく審査に時間を要するなどクルーズ客に不便をかけている。
このため,箱崎ふ頭で受け入れている大型クルーズ船を早期に中央ふ頭で受け入れることができるよう,西側岸壁の延伸について,国と連携しながら取り組んでいる。
・クルーズ船の受け入れ環境の整備につきましては,ハード整備だけではなく,利便機能の充実化や交通アクセスの強化などのおもてなし強化を図っていく。

 
問〈栃木〉
 つぎにクルーズ船客を乗せた観光バスのもたらす交通渋滞対策について、ハード面では福岡タワー、キャナルシティ博多などにおける駐・停車場整備の進捗をお尋ねする。

 
回答〈経済観光文化局〉
・観光バスがもたらす交通混雑への対策については,ソフト・ハード両面において,できうる限りの対策を検討し,順次,実施している。
・ハード面では,福岡タワーやキャナルシティ博多に訪れる観光バスの待機場として,これまで,
①マリンメッセ福岡駐車場の観光バスへの一部開放
②旧舞鶴中学校跡地における国による駐車場整備
③競艇場駐車場のクルーズ客用観光バスへの一部開放
など公有地を活用した駐車場の確保に取り組んでいる。

 
問〈栃木〉
 またソフト面では入港料および岸壁使用料の減免により観光バスの運行形態を制御するとのことだが具体的な方針をお聞きしたい。また、入港料、岸壁使用料の減免額はいくらにするのか。また減免による渋滞対策の実効性をどのように弾いているのか、その理由も合わせてお答えいただきたい。あわせて他港の入港料、岸壁使用料ならびに減免対象と減免額、減免後の料金を伺いたい。

 
回答〈港湾局〉
・平成22年度よりこれまでは外航クルーズ船に対しては,入港料及び岸壁使用料を概ね半額に減免して誘致を図ってきたが,昨年来,特に,中国発着のカジュアル船が急増している状況が続いていることや,受け入れに伴う経費も増大していること等を踏まえると,外航クルーズ船に対して一律にこうした優遇策を適用する必要性は薄れてきている一方,船社による応分の負担も必要と考えており,制度内容を見直す時期にきているものと考えている。
・入港料及び岸壁使用料の減免額など,制度の具体的な内容については,今後,検討を行い,実施していく。
・次に,他港の入港料,岸壁使用料の減免条件等については,博多港に次いで寄港数の多い長崎港の場合,入港料の設定自体がなく,また,岸壁使用料については,減免をせずに徴収しており,マリナー・オブ・ザ・シーズの場合,約58万円となっている。
・横浜港・神戸港については入港料・岸壁使用料の設定があるが,全額減免されている。

 
問〈栃木〉
 クルーズ客の好む市内の訪問先は、キャナルシティ博多と福岡タワー周辺に絞られると聞く。キャナルシティについては理解できるが、爆買いできる商業施設が少ないにもかかわらず福岡タワー周辺に訪れるクルーズ観光客が多い理由をどのように分析しているのかお尋ねする。また今後、タワー観光客の増減見込みをどのように見ているのか見解をお聞かせいただきたい。

 
回答〈経済観光文化局〉
・旅行会社からのヒアリングによると,福岡タワーは,福岡市観光のシンボルとして認識されているほか,周辺地域には,ウォーターフロントとしての海浜や洗練された建物も多く,散策や記念撮影場所として人気があると聞いている。
・今後とも,福岡タワー周辺においては,多くの観光客が見込まれます。

 
問〈栃木〉
 報道によりますと、渋滞対策も考慮に入れた料金政策の見直しに着手するとされたので伺いたい。現在実施している代表的なクルーズ船の減免額70万円を仮に100万円まで増額し、使用料金を長崎港、鹿児島港なみの60万円程度までに引き下げるとして、これを今年寄港予定のクルーズ船400隻すべてに適応すると、毎年4億円を公費投入して渋滞対策を進めることになるが、駐車場整備による対策と比較して明らかな渋滞緩和の費用効果が見込まれるのかお聞きしたい。そもそも減免を受けたにもかかわらず、渋滞緩和の実効をあげない船社に対する適正な評価方法とペナルティーの仕組みがなければ費用効果に疑問なしとは言えませんが、あわせてご所見を伺いたい。

 
回答〈港湾局〉
・入港料及び岸壁使用料の減免につきましては,博多港発着クルーズをはじめ,誘致を図りたい船を優遇する等の本市の施策推進の観点を踏まえながら,今後,検討を行い,実施してまいります。
・観光バスがもたらす交通混雑につきましては,関係局とも連携しながら,訪問先の分散化や時間の分散化などソフト面での対策や,公有地を活用した乗降場,駐車場の確保などハード面の対策にも取り組むこととしており,船社に対して,強く働きかけを行っていくことで,施策の推進を図ってまいります。

 
問〈栃木〉
 本市は今後もクルーズ船の博多港寄港とクルーズ観光客のもたらす経済効果が続くと見ているとのことですから、渋滞対策としての駐車場整備の費用を回収することは十分可能ではないか。競艇場の駐車場にバス50台分のスペースを確保されたが残念だが十分に利用されていない。やはり訪問先周辺にバス駐車場を確保する必要があると考える。とりわけ福岡タワー周辺では本市はまとまった公有地を持っているのだから駐車場整備などのハード面を並行して進めるべき。福岡タワー周辺の公有地にバス駐車場を早急に整備していただきたい。改めて強く要望するとともに本市の考えをお聞かせいただきたい。

 
回答〈経済観光文化局〉
・福岡タワー周辺における駐車場の確保につきましては,周辺の公有地における活用可能性について県警とも協議を行っているが,バス受入れ時の周辺交通への影響などの課題もあり,実現に至っていない状況である。
・このため,まずは,ソフト対策である
①各旅行会社に対するツアー行程の分散化の要請
②交通指導員の配置による交通安全の確保や路上駐車の改善
③「博多港クルーズ船受入関係者協議会」における交通混雑緩和に向けた対策
に取り組むとともに,その効果を見極めながら,周辺の公有地の活用可能性について,引き続き検討を進めていく

 
問〈栃木〉
 さて話を本題に戻すと、本市のめざすクルーズ船の博多港拠点化、まだまだ少ないアウトバウンドの推進を考えると、環日本海や東シナ海の航路開発を視野に入れる必要があると思われます。博多から金沢、函館、小樽に至る日本海ならびにプサン、ウラジオストクを結ぶ環日本海、あるいは博多から長崎、鹿児島、沖縄・那覇を結ぶ東シナ海の各港・各都市との連携の可能性と実現性など観光資源開発の課題をお伺いする。
また、博多港を拠点とするフライ・アンド・クルーズならびにレール・アンド・クルーズの可能性およびその現状と課題をお聞きします。

 
回答〈経済観光文化局〉
・今年7月に行われるコスタ・ビクトリアの博多港発着の日本海側周遊クルーズを契機に,日韓5港湾都市連絡会議(平成27年10月設立)を設け,寄港地(博多港,境港,舞鶴港,金沢港,釜山港)が集まり協議を行っている。
・コスタ・ビクトリアの日本海側周遊クルーズは台湾等からの集客も予定していること、また,「にっぽん丸」で、「飛んでクルーズ九州」を年1回実施しており,これらの乗客は福岡空港に降り立ち博多港から乗船する。
・今後の課題としては,各港・各都市と連携しながら,魅力あるクルーズ観光の企画・提案を行うことやクルーズ人口を増やし,マーケットの拡大を図ることがより求められている。

 
問〈栃木〉
 ここまでの議論でクルーズ産業の裾野の広さが分かってきましたが、だからこそ市県域を越えた取り組みが求められるのではないでしょうか。したがって、クルーズ産業振興にむけてオール福岡、オール九州、オール日本海の推進体制の確立が必要ではないかと考えますが、本市の所見をお尋ねします。

 
回答〈経済観光文化局〉
・アジアのクルーズ市場においては,今後とも市場の拡大が見込まれることから,旺盛な需要について,福岡をはじめ,九州全体でしっかりと受け止めるために,九州の各県,各都市,各港とのクルーズや観光に関する様々なつながりを活用して,連携を図りつつ取り組んでまいります。

 
回答〈副市長〉
 クルーズ産業の振興について。福岡市は第3次産業が9割を占める産業構造であるため交流人口を増やし消費を拡大することが地域経済の活性化に繋がり、都市全体に活力をもたらすことから、観光MICEの振興に積極的に取り組んでまいりました。クルーズにつきましては一隻当たりの乗客数も多く乗客の平均消費額も高いことから観光客誘致政策の柱の一つとして、その誘致に積極的に取り組んできたところであります。その結果平成27年度には博多港におけるクルーズ船の寄港回数は内航外航合わせて259回となり、過去最高を記録するとともに、これまでに12年連続日本一であった横浜港を抜き日本一となりました。アジアのクルーズ市場は今後もさらに拡大が見込まれており、新たな船会社やクルーズ船の参入も予定されております。これらの需要をしっかりと受け止め、持続的なクルーズ振興をはかっていくためには、福岡市をはじめ九州全体で官民が力を合わせ広域圏で魅力あるクルーズ観光を推進していく必要があると考えております。このため、昨年11月に設置した博多港クルーズ船受入関係者協議会や九州クルーズ振興協議会の場を活用し、各自治体や旅行会社、観光施設などの民間事業者と連携をはかりながら、九州とともに発展するWITH THE KYUSHUの精神の下、広域的な観光ルートの開発に取り組んでおります。また、環日本海におきましても本年7月に博多港発着クルーズを予定されたことを契機に日韓5港湾都市連絡会議を設置したところであり、今後とも国内外の関係都市等で連携し、日本のクルーズ拠点都市として積極的にクルーズ産業の振興に取り組んでまいります。

 
土砂災害警戒区域内の避難所の見直し等について

 
〈栃木〉
 モンスーン気候であるがゆえに雨の多い日本列島に暮らしてきた私たちの祖先は、その町や村、集落ごとに知恵を出し協力し合いながら豪雨災害と向き合い、生き抜いてきました。彼らの知恵や教訓は貴重な共有財産とも言えます。しかしながら、近年の気候変動に由来するともいわれる、頻発する豪雨災害に対しては、人口集積が進み都市化し高齢化するにつれ地域の共同体の知恵や教訓だけでは如何ともし難く、ますます行政支援への期待が膨らむ状況となっています。そこで、豪雨災害なかんずく近年、他都市で多数の被災者を出した土砂災害について、本市施策の現状と今後の課題について質問します。
 
問〈栃木〉
 そこで、まず本市域における過去10年間における土砂災害の被害件数 など被害状況をお聞きしたい。あわせて本市の自然災害に占める土砂災害の割合を教えていただきたい。

 
回答〈市民局〉
○過去10年間における市内の土砂災害の被害認知件数は,207件
○自然災害による被害発生件数に占める土砂災害の割合は,7.7%

 
問〈栃木〉
土砂災害警戒区域ならびに土砂災害特別警戒区域については、区域指定の根拠、指定の基準について国の考え方をお尋ねしたい。

 
回答〈市民局〉
○区域指定の根拠:土砂災害防止法
○指定基準(警戒区域)
・急傾斜地の崩壊
傾斜度が30度以上で高さが5m以上の区域
・土石流
土石流の発生のおそれのある渓流において,扇頂部から下流で勾配が2度以上の区域
・地滑り
地滑り区域 地滑りしている区域または地滑りするおそれのある区域
○指定基準(特別警戒区域)
・土石等の移動等(の力)により通常の建築物が壊れる範囲

 
問〈栃木〉
 また、それぞれの区域の特徴と県ならびに当該自治体の責務を伺いたい。

 
回答〈市民局〉
○区域の特徴
・「土砂災害警戒区域」とは,土砂災害のおそれがある区域
・「土砂災害特別警戒区域」とは,土砂災害警戒区域の中で,建物の損壊など,大きな被害が生じるおそれがある区域
○県及び市の責務
・県:土砂災害防止対策に必要な基礎調査の実施及び区域指定,土砂災害警戒情報の発表
・市:市民への情報伝達,警戒避難体制等の整備

 
問〈栃木〉
 平成25年度に福岡県が区域指定したことで、それぞれの区域の市民生 活にもたらす影響をお聞きしたい。

 
回答〈市民局〉
○警戒区域
・宅地建物取引業者は,当該宅地又は建物の売買等にあたり,警戒区域内である旨について重要事項の説明を行うことが義務付けられている。
 ○特別警戒区域
・居室を有する建築物の新築・改築にかかる建築基準法に基づく構造規制
・住宅地分譲や社会福祉施設,学校及び医療施設の建築のための開発行為については,都道府県知事の許可を要する。

 
問〈栃木〉
 つぎに、土砂災害警戒区域にかかる公設避難所数と学校、公民館の内訳をお聞きしたい。

 
回答〈市民局〉
○土砂災害警戒区域内の指定避難所数:46箇所(学校37,公民館7,その他2)

 
問〈栃木〉
 さらに、土砂災害特別警戒区域にかかる、それぞれの公設避難所数と学校、公民館の内訳を伺いたい。

 
回答〈市民局〉
○土砂災害特別警戒区域内の指定避難所数:17箇所(学校15,公民館1,その他1)

 
問〈栃木〉
 それらの区域にある避難所の指定について、本市は見直す方針であったが、どのように見直したのか、お聞きしたい。

 
回答〈市民局〉
○平成26年度に指定避難所の適合性調査を実施。
○その結果,土砂災害に適さない指定避難所は,8箇所。

 
問〈栃木〉
 土砂災害警戒区域内にある指定避難所が学校や公民館などの公共施設で、土砂災害時の避難所として指定していないところが8か所あるとのことだが、他施設への避難所の指定替えができるのかお聞きしたい。また指定替えができない箇所がある場合は、補強工事を実施するなどすべきかと思うが所見をお尋ねする。

 
回答〈市民局〉
○土砂災害に適さない避難所は,土砂災害の避難所として指定せず,土砂災害発生時には,同じ校区もしくは近隣にある,安全な避難所を開設することとしている。

 
問〈栃木〉
 土砂災害特別警戒区域内で暮らす住民が、住宅等を補強する場合、その費用の一部を助成する制度はあるのか伺いたい。あわせて他都市の同制度導入の取り組み状況をお聞きしたい。

 
回答〈住宅都市局〉
○福岡市では転居に要する費用等の補助制度はあるが,改修費の補助制度は無い。
○土砂災害特別警戒区域に指定されたことにより構造などが不適格となった建築物の改修工事費に補助を行う地方公共団体に対し,国が同額を負担する補助制度が平成27年2月に創設されている。
○他の政令市の状況について,広島市で平成27年7月に補助制度を導入しているが,未だ補助の実績はないと聞いている。
広島市以外の政令市では補助制度は導入されていないと聞いている。

 
問〈栃木〉
 とりわけ、本市丘陵地の住宅団地では高齢化が進み、住民の皆さんが平地部の指定避難所に行くことが困難な場合が想定できるが、本市はこれら住民の避難のあり方について基本的な考え方を伺いたい。

 
回答〈市民局〉
○避難勧告等の発令時の避難行動については,災害対策基本法に基づき,市が指定する避難所への避難以外にも,近隣の高い建物,強度の強い建物等への避難,自宅内の安全な場所での退避が行われるよう周知を図っている。

 
問〈栃木〉
 早良区重留3丁目の住宅団地の一部は、警戒区域にかかり、かつ同地区住民の指定避難所の入部小学校、入部出張所もまた同区域に指定されるなど、避難すべき場所がない状態であるが、本市の認識をお尋ねしたい。

 
回答〈市民局〉
○入部出張所や入部小学校が避難所として利用できない場合は,近隣の指定避難所を開設することとしている。

 
問〈栃木〉
 重留3丁目住民の皆さんが所有する集会所の土砂災害に対する安全性確保を前提に、新たに市の地域防災計画に位置付けて避難所に指定する、避難所建物の補強などの必要な財政支援をして、住民の生命を守るべきではないか。指定避難所を補完する二次的な補助避難所として地域の集会所等を防災計画に位置付け財政支援等する他都市もあると聞くが、あわせて所見を伺いたい。

 
回答〈市民局〉
○重留3丁目の住民の皆さんが所有する集会所については,福岡市が指定する避難所としての要件に該当しないことから,指定することは困難。
○災害の状況に応じ,臨時避難所として活用することについて地域と協議を行うこととしている。なお,福岡市の要請で臨時避難所を開設した場合は,光熱水費相当額を支払うこととしている。

 
問〈栃木〉
 建物の損壊など被害の生じる恐れのある特別警戒区域に指定された住宅は4,320戸だと報告されたが、突然指定された皆さんにとっては忸怩たる思い。行政による根本対策で区域指定を解除されるまでには時間がかかりすぎて待てない。だから少しでも危険性を排除するために住宅等補強などされる方に対してその費用の一部を助成することも考えるべきではないか。耐震補強では助成制度があるわけだから、制度創設に向けて検討する必要はないのか所見をお聞かせいただきたい。

 
回答〈住宅都市局〉
○特別警戒区域にある住宅の安全性の確保は重要であると認識している。
○改修の支援については,改修などの相談に応じるとともに,区域指定を行っている県の動向を踏まえながら補助制度の導入の必要性について研究していく。

 
温暖化対策のための省エネ住宅改修助成制度の創設について

 
〈栃木〉
 昨年11月30日から12月13日にかけて、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議、いわゆるCOP21がパリで開かれました。この会議で1997年の京都議定書(COP3)に続く、2020年以降の新しい温暖化対策の枠組みが合意されました。世界の気温上昇を2度未満に抑え、今世紀後半には人間活動による温室効果ガスの排出量をゼロにしていくというものです。そのために、わが国は2030年までに温室効果ガスを2013年比で26パーセント削減することで合意し協定したところです。
 
問〈栃木〉
 そこで、本市の温暖化対策についての考え方をお聞きしたい。とりわけ、民生・家庭部門の現状をお尋ねする。あわせて国の考え方と施策展開を教えていただきたい。

 
回答〈環境局〉
○現在の福岡市地球温暖化対策地域推進計画において,温室効果ガスを,基準年比で民生部門のうち業務部門は延床面積当たり14%削減,家庭部門は世帯当たり8%削減を目標としているが,現状はそれぞれ52%増,53%増となっている。
○これは,エネルギー消費量は,基準年と比べ両部門とも減少しているが,震災以降の火力発電の割合の増加により,電力の温室効果ガス排出係数が増加したためである。
○国は,COP21で表明した温室効果ガス削減量の目標を達成するため,省エネルギー施策を進めるともに,再生可能エネルギーを大幅に増やすとした電源構成を2030年迄に達成するとしている。

 
問〈栃木〉
 本市は、エネルギーの省力化、再生可能エネルギーの活用、各種電源の効率的な組み合わせによって、温暖化対策を進めようとしているが、それぞれの温暖化対策に資する主な施策ならびに温室効果ガス削減見込みをお聞きしたい。

 
回答〈環境局〉
○平成28年度の主要な事業の温室効果ガス削減量は,家庭部門の太陽光 発電システムや家庭用燃料電池設置補助等の住宅用エネルギーシステム導入事業などで2,723トン,業務部門の省エネサポート事業で568トン,電気自動車等購入補助で80トン,計3,371トンを見込んでいる。

 
問〈栃木〉
 さて、温室効果ガスを削減するために、エネルギーそのものの消費を抑える省エネの取り組 みは、太陽光発電、燃料電池などの再生可能エネルギーや各種電源の効率的な組み合わせなどに比べてあまり知られていませんが、温暖化対策で省エネの取り組みとして、住宅の省エネルギー化に着目した国や都市は多い。そのひとつに環境都市として知られ、スイス国境近くに位置する南ドイツのフライブルグの住宅地を視察する機会を得たが、窓・壁など徹底した断熱工法を取り入れ、町ぐるみで省エネルギー化を進めていました。そこで国内でも住宅の省エネ化を進める他都市の補助制度事例を紹介していただきたい。

 
回答〈環境局〉
○政令指定都市20市のうち,札幌市など8市で住宅の省エネ改修の補助事業を実施している。
○8市のうち,札幌市では,賃貸を含む戸建及び共同住宅を対象としている。補助額は,窓の断熱改修工事では,窓面積により1か所あたり7,000円から18,000円で,総工事経費の10%,上限50万円としている。

 
問〈栃木〉
 わたしが住宅の省エネ化に興味を持ったのは、複数の知人宅で、二重ガラス窓などに住宅改修したところ、「部屋が暖かくなった」「結露がなくなった」「エアコンが良く効くようになった」「電気代がかからなくなった」などの声を耳にしたからです。そこで今年1月、札幌市に出かけ二重窓などの省エネ改修した集合住宅のお宅にお邪魔しましたが、まったく同じような感想でした。住宅改修による省エネ効果について、本市はどのように評価しているのかをお聞きしたい。

 
回答〈環境局〉
○住宅の省エネについては,窓などの建築物断熱改修や節水型トイレ改修などがある。
○一般社団法人 住宅生産団体連合会の2009年のデータでは,二重ガラスに改修すると年間冷暖房費を約20%削減できるとされており,省エネ効果は高いと考えている。

 
問〈栃木〉
 すでに、国は住宅の省エネ改修に補助金を支給していますが、福岡県と本市の補助支給件数をお尋ねしたい。あわせて国制度の概要を伺います。

 
回答〈環境局〉
○国の省エネ住宅ポイント制度では,福岡県内の申請件数が平成27年10月末現在で,約5,500件であり,住宅数の割合から本市内からは約1,800の申請があったことが推計される。
○国の制度は,一定の省エネ改修工事に対しポイントを付与し,そのポイントは環境に配慮した商品と交換できるほか,追加改修工事に活用できる。

 
問〈栃木〉
 国の補助制度を利用して住宅改修した件数は、福岡市内では1,800件ということで、市内の住宅戸数からすると、まだまだ住宅改修補助制度に対する相当な需要があると思われます。
私の視察した札幌市と京都市では、国の補助制度に横出しする独自の補助制度でした。自治体の独自制度は、国の制度で満たせない需要の受け皿を用意したと言えます。平成27年度の補助申請件数と予算計上額は札幌市が1,000件、1億2,000万円と京都市が600件、4,300万円でした。申請者の戸建てと集合住宅の割合は、札幌市が4対6、京都市は9対1でした。補助金額は両市とも上限額50万円を現金給付するものです。なお、京都市は省エネ住宅改修の費用効果を、住宅窓のすべてを二重窓にした場合、光熱費を10年間で30万円も削減できる、と弾いていました。国の補助メニューに無いもの、あるいは国の補助支給から漏れた人を対象に、支給対象者を抽選で決定し、現金で支給することで、政策誘導の効果を上げているようです。
省エネ住宅改修への公費助成について、京都市は「省エネで社会に還元できる」ので「補助金の原資を有料ごみ袋料収入の半分の額と残りの半分を交付税で充てる」として制度導入に踏み切りました。省エネの住宅改修制度に有力な根拠を与えていると考えます。
市営住宅や学校、公民館などの公有施設についても省エネ改修は費用効果が見込まれ検討に値すると思われます。札幌市では平成18年度より市営住宅に断熱工法による改修を実施しています。ここでは議論の対象を個人の住宅に絞ると、独自補助制度の導入にあっては、省エネ改修とともに、バリアフリー改修、耐震改修などを組み合わせることで、利用者、市民の使い勝手のいい制度にする工夫が必要だと思われます。
最後に、国はもとより自治体も温室効果ガスの削減目標達成に向けての取り組みが求められています。そこで、COP21や国の電源構成を踏まえて、本市の計画を策定し、その施策のひとつとして、省エネ住宅改修に本市が独自の補助制度を導入する意味は大きいと思いますが、制度創設に向けた本市の見解を伺い、質問を終わります。

 
回答〈環境局〉
○COP21で国が示した温室効果ガス削減目標などを踏まえ,本市の新温暖化対策実行計画の施策を検討しているところである。
○省エネ住宅改修補助制度については,効果的な施策であることから創設について検討していく。
○経済成長との調和を図りながら,未来につなぐ低炭素のまちづくりを目指し,温暖化対策の推進を図っていく。

 


 
 

2015年(平27)9月11日 一般質問 質疑応答全文(福岡市議会議員 栃木義博)

 

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