2018年(平30)10月9日
平成30年度福岡市議会 決算特別委総会質疑応答全文(福岡市議会議員 栃木義博)


1. 市有施設に開設される災害避難所でのプライバシー確保について
 
問【栃木】

①大規模な自然災害が頻繁に列島各地を襲い続けています。自治体と住民の共働で開設される災害避難所は住民の命を守る最後の砦であることは言うまでもありません。しかし避難生活が長引くと、避難住民間のコミュニケーションが図られ絆が強まる一方で、避難者間でのトラブルや様々な被害が多発することは想像に難くありません。小学校、公民館などに開設される災害避難所での避難住民のプライバシー確保のあり方について、とりわけ災害の現場を抱える自治体では深く重い議論が交わされていると聞きます。そこで2013年、災害対策基本法が改正され、自治体に避難所における生活環境整備が求められたが、その概要を伺う。

 

回答【市民局長】

○災害対策基本法の改正では,「災害応急対策責任者は,当該避難所に係る必要な安全性及び良好な居住性の確保など,被災者の生活環境整備に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」といった避難所における生活環境の整備等の規定が追加。

○同法の改正に伴い,国から「避難所における良好な生活環境の確保に関する取組指針」が示された。

○同指針において,男女別のトイレ・授乳室の設置等によるプライバシーの確保,暑さ寒さ対策,入浴及び洗濯の機会の確保等,生活環境の整備が求められている。

 
問【栃木】

②これら国の動きを踏まえ、福岡市地域防災計画における避難所運営に関する記述をどのように見直したのかお尋ねする。

 

回答【市民局長】

○福岡市地域防災計画において,避難所運営にあたっては,プライバシーの確保,男女別の更衣室や仮設トイレ,物干し場の確保,乳幼児のいる家族に配慮した授乳スペース・育児スペースの確保などに留意するよう見直しを行った。

 
問【栃木】

③福岡市地域防災計画の見直しに合わせて、避難所のプライバシー確保を図るためには、それに応じた資器材の備蓄が必要になると思う。そこで、避難所のプライバシー確保に向け、平成29年度に購入した資器材の種類と数量および決算額を尋ねる。あわせて資器材の保管場所を聞きたい。

 

回答【市民局長】

○避難所におけるプライバシー確保のため,段ボール間仕切り1,500台及びマルチルーム300張を購入し,その決算額は2千570万円余。

○その備蓄場所は,小学校等に設置している防災倉庫に分散備蓄。

 
問【栃木】

④大勢の人びとが長い期間、肩を寄せ合わざるを得ない災害避難所の現場では、ハラスメント事案の発生もあると聞くが、本市の認識を問う。あわせて、2016年には内閣府が避難所運営ガイドラインで、性犯罪防止策検討の必要性を謳ったが、その概要と背景を聞きたい。また国のガイドラインを踏まえて、本市はどの様に対応したのか尋ねる。

 

回答【市民局長】

○避難所生活の長期化などにより,女性や子ども,障がい者などに対する様々なハラスメント事案の発生のリスクが高まると認識。

○避難所運営ガイドラインでは,東日本大震災の教訓などを踏まえ,災害時における治安の維持を課題の一つとし,女性・子どもに対する性犯罪防止策や相談体制強化等の検討が必要とされている。

○これらを踏まえ,福岡市地域防災計画において,避難所運営にあたり,性犯罪を防ぐ措置や,各種相談窓口の設置等に留意することとしている。

 
問【栃木】

⑤一昨年の熊本地震で開設された避難所で強制性交や盗撮などの性被害の事案が発生していたと報道された。今年3月29日付けの西日本新聞記事には「娘の傷は一生消えない」とするショッキングな見出しが躍った。しかも同様の被害が2011年の東日本大震災時にも相次いだ、と同紙の記事は続いた。このことから災害避難の時間経過とともに、性被害は避難所では何処でも起こりうることを示しているのではないかと思わざるを得ないが、本市の認識を聞きたい。

 

回答【市民局長】

○東日本大震災や平成28年熊本地震等の大規模災害において,女性や子ども を狙った性犯罪が報告されており,避難生活が長期化する場合などには,いずれの避難所においても起こり得る可能性があると認識。

 
問【栃木】

⑥熊本地震では、「更衣室をダンボールで作ったところを上からのぞかれた」ので「更衣室を使うときには見張りを立てるようにした」また「授乳しているのを男性にじっと見られる」ので「警察に連絡したら巡回の回数が増やされた。その後、授乳スペースが設けられた」などと、被害事例、対応事例を紹介し、区、市、県、警察、民間NPOの相談窓口の連絡先が書かれたチラシを配るなどして対処したが、性被害を未然に防止するための本市の方針と対策を聞きたい。

 

回答【市民局長】

○避難所運営においては,性被害をはじめとして様々なハラスメント事案を未然に防ぐことが大事であると考えており,「避難所運営の手引き」や「女性の視点を活かした防災ミニブック」において,性犯罪を未然に防止するための取組みを記載するとともに,避難所運営ワークショップ等においても,プライバシー確保等の啓発を行っている。

 
問【栃木】

⑦報道にあるように、東日本大震災、熊本地震の際の性被害は時を経て後からその事実を知った訳だが、むしろ「相談できず潜在化」する事案も多いのではないか。もっと女性や障がい者、高齢者など社会的に不利な立場の人の視点から、避難所開設に向けた、更衣室、授乳室、間仕切り、トイレ証明配置などの設計、監視体制や住民の悩み相談の受け皿など運営、管理、ルールなどプライバシーを配慮して策定されるべき。本市にはその視点にやや弱さを残すものが見受けられるが、本市の見解を聞きたい。

 

回答【市民局長】

○「避難所運営の手引き」などにおいて,男女別更衣室や授乳室等の設置,女性トイレへの防犯ブザーの設置など,誰もが安心して避難生活を送ることのできるよう,生活環境の整備に努めることとしている。

○避難所の治安を維持するため,男女ペアによる見回りの実施や警察への巡回要請,相談窓口の設置等により,女性や障がい者,高齢者などの視点に立った運営を行っていくこととしている。

 
問【栃木】

⑧プライバシーは、人が人としての尊厳を保つための人権そのもの。このように認識を共有すると、避難所開設運営について、本市は人権擁護を徹底させる観点から対策を講ずるべきだと考える。したがって、本市防災会議のメンバーに女性、乳幼児をもつ親、ハンディーキャップのある人などのほか、人権問題に詳しい法曹関係者を加え、多彩な人選で構成するとともに、同会議に小委員会や専門委員会を設置するなどして、多様な意見、専門的な知見が反映されるようにすべきと考えるが、本市の所見を伺いたい。

 

回答【市民局長】

○これまでも地域防災計画などの策定において,男女共同参画協議会や障がい 者団体などから,それぞれの視点に立ったご意見を伺っている。

○今後とも様々な機会をとらえ,弁護士など法律の専門家や女性,障がい者など多様な視点からご意見をいただきながら,避難所運営をはじめ,地域防災の充実に向けた取組みを進めていく。

 

2. 市と外郭団体などの障がい者法定雇用率の達成、底上げについて
 
問【栃木】

① 障がい者について平成29年度の本市職員採用状況ならびに過去5年間の推移を尋ねる。

 

回答【総務企画局長】
 

年度

平成26年度

平成27年度

平成28年度

平成29年度

平成30年度

採用人数

 
問【栃木】

② 中央省庁で発覚した障がい者雇用率の水増し問題。国機関の8割、3,460名

に及び、雇用率は半減しました。事は国に留まらず、地方自治体での水増し有無の調査開始へと波及しています。そこで本市ならびに外郭団体の障がい者法定雇用率の達成状況について以下、順に伺います。

市役所など公的機関の法定雇用率は,平成29年度は2.3%、30年度からは2.5%以上、また企業などの法定雇用率は、平成29年度は2.0%、30年度からは2.2%以上となっているが、その根拠は何か。

 

回答【保健福祉局長】

○障がい者の法定雇用率については,障害者雇用促進法において定められたも のであり,政令により,平成30年度からは,国,地方公共団体及び特殊法人は2.5%,一般事業主が2.2%とされ,障がい者法定雇用率に相当する人数の障がい者を雇用することが義務付けられている。

 
問【栃木】

③ 特殊法人はどのような事業所が該当するのか。

 

回答【保健福祉局長】

○特殊法人については,地方独立行政法人,地方住宅供給公社,地方道路公社及び土地開発公社等が該当する。

 
問【栃木】

④ 平成29年度および平成30年度の福岡市の障がい者雇用率の達成状況および募集条件、採用基準などの現状を伺う。

 

回答【総務企画局長】

○福岡市の障がい者雇用率は,

平成29年度 2.33%(平成29年6月1日現在)

平成30年度 2.55%(平成30年6月1日現在)

 

<福岡市の障がい者の採用について>

 

障がい者を対象とした採用試験

チャレンジ雇用(嘱託員)

募集条件

18~29歳で身体障がい者手帳を保有していること

身体障がい者手帳,療育手帳又は精神障がい者手帳を有していること

選考方法

教養試験・作文・面接

面接試験・実技・職場での実地試験

 
問【栃木】

⑤ 他都市との比較はどうか。

 

回答【総務企画局長】

○他の政令指定都市との比較については,市によって算定対象(市長事務部局,教育委員会など)が異なるため,単純比較は困難である。

 
問【栃木】

⑥ 県内の民間企業の達成状況はいかがか。

 

回答【保健福祉局長】

○福岡県内における民間企業の法定雇用率達成状況については,福岡労働局が公表している「障害者雇用状況」によると,平成29年度の達成企業数が,1,823企業で,達成企業の割合は,52.1%とされている。

 
問【栃木】

⑦ 法定雇用率未達成の場合、事業主にどのような義務が生じるのか。

 

回答【保健福祉局長】

○法定雇用率が未達成の場合に,事業主に生じる義務については,障害者雇用促進法において,障がい者の雇用に関する事業主の経済的負担を調整するとともに,障がい者の雇用の促進と職業の安定を図るため,「障害者雇用納付金制度」が定められている。

○事業主は,不足する障がい者一人当たり,常用労働者が100人を超え200人以下の事業主の場合は月額4万円200人を超える事業主の場合は月額5万円の納付金を納付する義務がある。

○なお,国及び地方公共団体,特殊法人については,納付の対象外となっている。

 
問【栃木】

⑧ 福岡市の障がい者雇用率は法定雇用率をわずかに上回っている状況であり、より高い雇用率をめざしていくべきであると思う。

つぎに本市の経営支配下にある本市出資比率50%以上あるいは本市の影響下にある25%以上の対象となる出資団体について、平成29年度障がい者法定雇用率未達成の事業所団体名を聞きたい。

 

回答【保健福祉局長】

○平成29年度における出資団体の法定雇用率の達成状況については,福岡市が25%以上出資している33団体のうち,基準日である6月1日において,

・独立行政法人福岡市立病院機構 

・博多港ふ頭株式会社

・公益財団法人福岡市学校給食公社 

・株式会社博多座 

の4団体が未達成。

○なお,独立行政法人福岡市立病院機構においては,平成29年11月1日より法定雇用率を達成している。

 
問【栃木】

⑨本市の経営支配下あるいは影響下にある出資比率50%以上あるいは25%以上の団体で、法定雇用率未達成の団体について、法定雇用率を上回るためには、それぞれ何人の障がい者を雇用すると達成できるのか伺いたい。あわせてこれら出資団体の法定雇用率達成に向けて、本市は筆頭出資者としての責任があるのではないか、その対処方針など決意を聞きたい。

 

回答【経済観光文化局長】

○(株)博多座については,法定雇用率の達成に必要な雇用数は1名。

○H28年度末までは該当職員がいたが,退職したため,(株)博多座では,ハローワークとも協議を行いながら,障がい者の雇用確保に取り組んでいる。

○法令に義務付けられているものであることから,確実に履行されるよう求めていく。

 

回答【港湾空港局長】

○博多港ふ頭(株)については障がい者1名の雇用で法定数を達成する。

 

(同社における障がい者雇用の状況)

・平成26年度末まで1名を雇用

・平成29年度に障がい者就労支援センターを通じて協議調整を行うとともに,平成30年9月よりハローワークを通じて募集中

○関係法令を順守し適正に執行されるよう求めていく。

 

回答【教育委員会教育長】

○福岡市学校給食公社が法定雇用率を達成するには,さらに1人の障がい者の雇用が必要。

○同公社では,法定雇用率の達成に向け,ハローワークなどと協議調整を進めているところであり,本市としても更なる障害者の雇用を要請していく。

 
問【栃木】

⑩公的機関は率先垂範して企業など民間組織での障がい者雇用率の向上に向けてリードする立場。法定雇用率を大きく上回り頑張っている他都市もある中で、本市はもとより外郭団体、出資団体の障がい者雇用率の向上にむけて障がい者の働きやすい仕事作業環境の開発を積極的にすすめるなどして一層取り組むとともに、民間企業等の法定雇用率の達成に向けて啓発活動を強め、障がい者雇用の拡大、底上げを進めていただきたい。本市の取り組み姿勢や考え方を伺いたい。

 

回答【総務企画局長】

○福岡市においては,これまでも身体障がい者の採用試験やチャレンジ雇用による採用拡充を行うなど障がい者雇用率の向上に取り組んでいるところであり,今後も障がいの特性に応じた業務内容の整理や職場環境の整備を図りながら,今後予定されている法定雇用率の引上げも見据え,更なる雇用拡大に努めていく。

 

回答【保健福祉局長】

○障がい者が,自らの能力を活かすことのできる環境で働くことは,障がい者自 身の生きがいや,充実した生活を実現するために重要なことであると認識している。そのため,これまでも福岡市障がい者就労支援センターにおいて,企業セミナーを開催し,障がい者の雇用について啓発を行うとともに,本市の障がい者の企業への就職の促進を図るため,福岡労働局や公共職業安定所,福岡県と共同で「福岡地区障害者雇用促進面談会」を開催するなど,取組みを進めているところである。

○今後とも,公的機関や民間企業に対し,障がい者雇用に対する理解を促進することなどにより,引き続き,障がい者の就労の場をさらに確保できるよう取り組んでいく。

 

3. 公文書管理の徹底と情報公開の促進について
 
問【栃木】

①平成29年度における本市公文書の情報公開請求数ならびに同文書の情報公開決定にかかる行政不服審査請求件数を聞きたい。あわせて平成25年度から経年ごとに同様の件数を尋ねる。

 

回答【情報公開室長】

○公文書公開請求の件数

 平成25年度 2,507件,平成26年度 2,271件,平成27年度 2,451件,

 平成28年度 2,628件,平成29年度 2,114件

○公開決定等に係る不服申立ての件数

 平成25年度 16件,平成26年度 16件,平成27年度 26件,

 平成28年度 20件,平成29年度 7件 

 
問【栃木】

②行政不服審査請求により、第三者機関の福岡市情報公開審査会の審査等を経て、請求人の利益に沿う形で公文書の情報公開決定が覆った件数について、平成25年度からの経年実績を知りたい。あわせて公開決定が覆ったおもな理由についてお聞きしたい。

 

回答【情報公開室長】

○不服申立ての結果,請求を認容又は一部認容した件数

平成25年度 6件,平成26年度 3件,平成27年度 9件,

平成28年度 6件,平成29年度 1件 

○上記の主な理由

主なものとしては,

・個人情報として非公開としたものが,個人を識別できないから個人情報には当たらないという理由で公開が妥当とされたもの

・同じく個人情報として非公開としたものが,すでに公になっていたり,公務員の職務遂行情報に当たるという理由で公開が妥当とされたもの

・公開すると犯罪を誘発するというおそれがあるという理由で非公開とした情報のうち,住所の一部について公開が妥当とされたもの など

 
問【栃木】

③行政文書とも言われる公文書は、国民主権を担保する情報公開の主たる対象。公文書と情報公開は不離一体と言える。所謂モリカケ問題で隠ぺい、改ざんと報じられたような消えた公文書、失われた行政文書の不適切な管理と公開、非公開の不手際を演じ続けた中央省庁。これまで役所で働く公務員の徹底した法令遵守と高い倫理観によって、国民の厚い信頼をかち得てきたが、いまはその信頼を大きく損ねていると思わざるを得ない。これを他山の石とし、本市自らのものとして省みるために、その原因を見極め、共有することが大切だと考える。そこでこのような事態を招いた原因について、公文書管理法や情報公開法などの制度、ルールに不備があるのか、それともその制度、ルールを運用する行政、政治の側の人の問題なのか、本市はどのように捉えているのか、率直な意見を聞きたい。

 

回答【総務課長】

○国においては,一連の公文書をめぐる問題に対する再発防止対策として,公文書に関するコンプライアンス意識を促す取組みを推進するとともに,公文書の体系的・効率的な管理の仕組みの構築にも取り組むこととしていると承知している。

 
問【栃木】

④直接住民と接する機会の多い自治体にあっては議会と住民の監視制度が機能しやすいと思われるため、中央省庁の様な国民不在の事態に陥ることは無かろうと信じたいが、不断の制度、ルールの検証と見直しなしには国民主権、住民自治は実現できないことを今回の中央省庁での事態から学んだと言える。そこで本市公文書の取り扱いについて質問したい。そもそも公文書とは何か、公文書の範囲のどこまでを保存するのか、公文書の定義、公文書の保存対象について聞きたい。またその根拠についてあわせて知りたい。

 

回答【総務課長・情報公開室長】

○福岡市における公文書とは,職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画,写真,フィルム及び電磁的記録であって,職員が組織的に用いるものとして,本市が保有しているものであり,これを保存することとしている。ただし,官報,公報,白書,新聞,雑誌,書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものは公文書から除いている。

○《公文書の定義》

情報公開条例第2条第1項第2号

公文書の管理に関する規則第2条第1項第1号

《公文書の保存》

公文書の管理に関する規則第9条

 
問【栃木】

⑤公文書とは組織において共有する文書、具体的には課長職を含む複数の職員が関与した実態を持つものだと聞いており、職員のメモ、備忘録は除外扱いしているがその理由を尋ねる。

 

回答【情報公開室長】

○組織として説明する責務を果たす観点から,当該公文書がその作成又は取得に関与した職員個人段階のものではなく,組織としての共用文書の実質を備えた状態であることが必要である。

○なお,公文書の管理に関する規則においては,事案の処理に係る意思決定及び報告に当たっては,処理に係る事案が軽微なものを除き,公文書を作成することが義務付けられている。

 
問【栃木】

⑥「福岡市公文書の管理に関する規則」によると、(保存)第9条の別表で、1種から5種まで区分し、保存期間をそれぞれ永年、10年、5年、3年、1年としているが、その根拠を聞きたい。とりわけ第4〜5種で「公文書で軽易なもの」として、保存期間1〜3年の定めには疑問が残る。電磁的記録保存の技術進歩はめざましく、市民の知る権利を拡大するために、保存期間を大幅に延長すべきだと考えるが、所見を伺いたい。また、保存期間満了後の取り扱いについて尋ねる。

 

回答【総務課長】

○保存期間については,法的効果,内容の重要度等により必要な期間保存しているところであり,職務の遂行上必要がある場合等は保存期間を延長することとしている。

○保存期間が満了した公文書については,速やかに廃棄を行うこととしている。なお,歴史的または文化的な価値を有する公文書については,総合図書館に引き継ぐこととしている。

 
問【栃木】

⑦(廃棄)第10条第2項で「文書管理者は、保存期間が永年である公文書について、廃棄しなければならない特別の事由が生じたときは、これを廃棄することができる」、また第10条第4項では「歴史的又は文化的な価値を有する公文書については、保存期間の満了後、速やかに福岡市総合図書館に引き継がなければならない」とあるが、どのような手続きと基準で廃棄または「歴史的又は文化的な価値を有する公文書」の認定について意思決定をするのか聞きたい。第三者機関の評価を経るべきではないかと考えるが、見解を伺いたい。

 

回答【総務課長】

○(第10条第2項)
保存期間が永年である公文書の廃棄については,所属長が当該局長の承認を経て,総務企画局総務課長の許可を得たのち,廃棄できることとしている。 

○(第10条第4項) 歴史的又は文化的な価値を有する公文書の総合図書館への引き継ぎについては,公文書の収集に関する基準に基づき協議し,引き継ぐこととしている。

○なお,総合図書館に引き継ぐ公文書については,学識経験者等で構成される総合図書館文書資料収集審査委員会において審議いただいている。

 
問【栃木】

⑧「公文書の管理に関する規則」の拘束を受ける行政機関はどのような種類の組織か伺いたい。また公文書の管理に関する規則に触れられていない、本市の経営支配下、影響下にある出資団体や外郭団体、あるいは公務を外部化した指定管理者、受託者の当該業務に関する公文書に準じる文書についても市と同等の、あるいは市に準じる取り扱いが必要であると思うが、どのような取り扱いをしているのか聞きたい。

 

回答【総務課長】

○「公文書の管理に関する規則」は市長事務部局を対象としているが,他の執行機関においても,各々で同様の規定を定めている。

○市が4分の1以上の出資等を行っているいわゆる外郭団体については,各々で文書管理について規定を定めているところである。

○指定管理者については,協定書において,保存すべき文書の範囲や保存年限を定めることとしている。

○業務委託の受託者については,委託契約書において報告書等を提出させることとしており,市において公文書として保管している。

 
問【栃木】

⑨公文書の取り扱い、管理、保存、廃棄は、内部規則を根拠に行政組織がみずからの判断で決定するため、議会、市民の目が届きにくい。情報公開の徹底を促進する観点から、公文書の定義、保存対象、保存期間をはじめ、実施機関の拡大などについて、「福岡市公文書の管理に関する規則」を見直すとともに、公文書の管理、保存、廃棄について法的根拠を明確にするために条例制定を検討すべきと考えるが、所見を伺いたい。

 

回答【総務課長】

○公文書は本市の活動の記録で,市民との共有財産と認識しており,情報公開条例に基づき,公文書の管理に関する規則を定め,公文書の適切な管理に努めているが,国における公文書管理のあり方の見直し状況などを踏まえ適切に対処していく。

 
問【栃木】

⑩本市情報公開条例は、平成14年3月28日に制定施行され、改正を重ね今日に至るが、条例(目的)第1条で「市の保有する情報の一層の公開を図り、もって市政に関し市民に説明する市の責務が全うされるようにするとともに、市民の監視と参加の下にある公正で開かれた市政の推進に資する」としている。とりわけ第12条(公開決定等の期限)は、迅速な公開決定を実施機関に義務付ける、他市には見られない優れた情報公開条例が制定されたと当時聞かされた。そこで質問だが、福岡市以外の実施機関を地方独立行政法人、地方三公社に限定した理由、その根拠を聞きたい。また条例に規定される実施機関を市が出資する外郭団体、公務を外部化した指定管理者、受託者まで拡大すべきだと思うが、どのような取り扱いをしているのか、考えをお尋ねする。

 

回答【情報公開室長】

○地方独立行政法人及び地方三公社は,特別法により設立される法人であり,出資者は地方公共団体に限定され,法人の代表者は地方公共団体の長によって任命されることなどを考慮し,条例上の実施機関としている。

○外郭団体は,民法その他の一般法に基づき設立された法人であり,条例上の実施機関とすることは困難であるが,一定の説明責任を果たす必要から,条例では,実施機関が法令等の規定に基づき,外郭団体の保有する文書を収集し,公開請求に対応することとしている。また,公開決定等を円滑に行うための協定制度を設けている。

○指定管理者及び受託者についても,外郭団体と同様,条例上の実施機関とすることは困難であるが,地方自治法上の権限や契約上の権限等に基づき,必要な情報を収集するなどして,市としての説明責任を果たせるよう努めている。

 
問【栃木】

⑪過去にも民意を分ける議論があったが、現在進行中の市政運営、施策をめぐる意思決定について、作成蓄積されている公文書は未来の市民が当時の政策判断の意義やその是非を検証し、今に生かすための大切な財産であるはず。情報公開を積極的に推進する条例の目的、市民に対する保有情報の説明責任を明示した、市の責務についての積極的な評価は違わないとしても、第7条(公文書の公開義務)で「公開情報」の例外規定を設けて、
「公開」「非公開」の取り扱いについて実施機関の判断解釈に幅を持たせていることは、恣意的な判断の入る余地がないとは言い切れない。例えば「市の機関及び国等の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、…意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、…不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ…」(同条(4)号)については「公開情報」の例外規定を多用し「非公開」にされるおそれがあり、今日では本市情報公開条例の趣旨に合致しづらくなっているのではないか。「非公開情報」の定義について、本市情報公開条例の見直しの必要について、所見を問う。

 

回答【情報公開室長】

○非公開情報は,公開することの利益と非公開とすることにより保護すべき個人,法人等の利益や公共の利益等との調整を図るものである。

○「おそれ」の程度は,安易に非公開範囲を広げることがないよう,単なる抽象的な可能性ではなく,法的保護に値する高い蓋然性が必要

○非公開情報の類型は,概ね,国・自治体とも共通で,全国的に規定の解釈も定着してきており,不服申立てによる救済措置も設けられていることから,現在のところ,非公開情報の規定を見直す必要性があるとは考えていない。

 
問【栃木】

⑫中央省庁が公文書の極めて不適切な取り扱いで、国民の深刻な不信を招いた原因について、法制度やルールに不備があるのか、それともそれを運用する行政、政治の側の人の問題なのか、と本市に質した。私は制度、ルールが適正に機能しているのかを不断に見直すとともに、最後はこれを運用する人の問題だと思う。公文書管理と情報公開に向き合う本市の姿勢と決意を尋ねる。

 

回答【総務課長・情報公開室長】
 

○市は昭和31年に文書規程を定め,昭和63年には国に先んじて情報公開条例を制定するなど,公文書の適正管理や積極的な情報公開に努めてきた。

○また,情報公開制度の適正な運営には公文書の適正管理が不可欠であることから,平成14年の情報公開条例の全部改正の際に,公文書の分類,作成,保存及び廃棄に関する基準等の策定を義務付け,公文書の管理に関する規則等の整備を行った。

○両制度が市民の「知る権利」を具体化する車の両輪として,本来の役割を果たすためには,職員が制度の趣旨・目的を十分理解し,高い倫理観をもって制度運用に当たることが重要であり,各種研修等による制度の周知徹底や事務担当課への助言などを行っている。

○今後とも,公文書管理に関する国の動向等も注視しつつ,両制度の適正な運用を通じて,行政事務の適正かつ効率的な遂行を図るとともに,市政に関する市民への説明責任を果たせるよう努めていく。

 
意見【栃木】 

国民の信頼を著しく失墜させた国の公文書管理公開の不手際について、本市がこれを他山の石とすべきだと、私は述べてきました。しかし、「国における…見直し状況などを踏まえ…」などと答えられ、あまりに楽観的すぎると思えてなりません。公文書の管理公開という民主主義の土台が崩れ落ちようとしている事態に危機感が伝わってこないのです。政治の圧力に本当に抗しきれますか。

 

地方自治の本旨に則り、国に手本を示すことこそ今、自治体に求められているのではないでしょうか。恣意的な判断の入る余地を極力排し、透明性を高めるため、公文書管理規則を条例に改めるべきであると重ねて申し上げるとともに、公務員の矜持を示されることを願いつつ質疑を終わります。ありがとうございました。

 

過去の質疑応答

■平成29年度福岡市議会 条例予算特別委員会総会質疑応答全文
■2016年10月7日 決算特別委員会総会質疑
■2016年3月7日 平成28年度福岡市予算議会 補足質疑応答全文
■2015年9月11日 一般質問 質疑応答全文
■2014年9月9日 福岡市雇用特区 質疑応答全文